
「妊婦健診で内診はいつごろから始まるの?」「毎回内診があるの?」──妊婦健診の内診について、時期や頻度が気になる方は多いものです。事前に見通しを持てると、当日の不安がやわらぎます。
妊婦健診の内診は、初診をはじめ、妊娠20週前後・24週頃・30週頃・37週以降などの節目で行われることが多い検査です。毎回必ず行うわけではなく、時期によって目的も異なります。前半は子宮や子宮頸管の状態、後半は子宮口の開き具合など、その時点で確認したいポイントに応じて実施されます。
この記事では、①内診はいつから・どの時期に行うか、②内診で何をするのか(時期ごとの目的)、③妊娠後期・臨月の内診とGBSなどの関連検査について、順を追ってわかりやすく解説します。
結論:妊婦健診の内診は節目の時期に行うことが多い
妊婦健診の内診は、妊娠期間全体を通して等しく行われるものではなく、経過を確認したい節目のタイミングで実施されることが一般的です。毎回の健診で必ず内診があるわけではなく、超音波検査など他の方法で状態を確認する場合も多くあります。
「行くたびに内診があるのかな」と身構える必要はありません。目安として、初診・妊娠20週前後・24週頃・30週頃・37週以降などが節目となることが多く、それ以外の健診では血圧測定・尿検査・お腹の触診・経腹超音波が中心になることもあります。頻度や実施のタイミングは、施設や経過によって異なるため、通っているクリニックの案内に沿って進めてください。
内診を行うおおまかな時期
一般的な妊婦健診では、次のようなタイミングで内診が行われることが多くなっています。
- 初診時(妊娠の確定・子宮の状態確認)
- 妊娠20週前後
- 妊娠24週頃
- 妊娠30週頃
- 妊娠35〜37週頃(GBS検査など)
- 妊娠37週以降(出産に向けた確認)
いずれも「必ずこの週数に行う」というものではなく、経過や施設の方針によって前後することがあります。
毎回必ず行うわけではない
妊婦健診では、内診より頻度が高いのが経腹超音波や血圧・体重・尿検査といった項目です。内診はあくまで必要な節目で行われるものであり、健診のたびに毎回受けるものではないと考えておくと安心です。
「今日の健診で内診がある予定ですか?」と、事前に受付や医師に確認しても構いません。心の準備をしておきたい場合は、遠慮なく尋ねてみてください。
内診では何をするの?(基本の内容)
内診では、状態を確認するためにいくつかの方法が組み合わせて行われます。基本の内容を知っておくと、実際の診察がイメージしやすくなります。
主に、①指を腟内に入れて行う触診、②クスコ(腟鏡)を用いた腟内の観察、③経腟超音波による子宮頸管や赤ちゃんの確認などを組み合わせて実施します。すべてを毎回行うわけではありません。
腟内に指を入れて子宮や子宮口を触れて調べる
代表的な内診の方法は、医師が指を腟内に入れながら、もう一方の手でお腹を軽く押さえて、子宮の大きさ・硬さ・子宮口の状態などを触診で確認するというものです。
診察自体はごく短時間で終わることが多く、痛みには個人差があります。緊張して力が入ると違和感を強く感じやすいため、深呼吸をして体の力を抜くのがポイントです。
クスコ(腟鏡)で腟内を観察する
必要に応じて、クスコと呼ばれる器具で腟内を広げ、目で見て状態を観察することがあります。おりものの状態や炎症の有無、後述するGBS検査の検体採取などに用いられます。
初めての方は器具の圧迫感に驚くことがあるかもしれませんが、医師や看護師はできるだけ負担が少ないように配慮しています。違和感や強い痛みを覚えた場合は、我慢せず医師やスタッフへ伝えてください。
経腟超音波で子宮や赤ちゃんを確認することもある
経腟超音波検査は、先端にゼリーとカバーを付けた細いプローブを腟内に入れて、子宮や赤ちゃんの状態を画像で確認する方法です。妊娠中期には、子宮頸管の長さを測って早産のリスクを確認する目的でも用いられます。
経腟超音波は、経腹超音波よりも子宮口周辺の状態を細かく確認しやすいのが特徴です。時期や目的に応じて、経腹と経腟のどちらで行うかが判断されます。
時期ごとの内診の目的
内診の目的は、妊娠週数によって少しずつ変わっていきます。ここでは時期ごとの主な目的を整理します。
妊婦健診の内診・時期別の目的
| 時期 | 内診の主な目的 |
|---|---|
| 初診のころ | 子宮の大きさ・状態の確認 |
| 妊娠20〜24週頃 | 子宮頸管長などで早産の兆候を確認 |
| 妊娠30週頃 | 胎盤の確認 |
| 妊娠35〜37週頃 | GBS(B群溶連菌)検査 |
| 妊娠37週以降(臨月) | 子宮口の開き・出産準備の確認 |
※実施時期・頻度は施設や経過により異なります。毎回必ず内診を行うわけではありません。
初診のころ:子宮の大きさや状態を確認
妊娠初期の内診では、子宮の大きさや形、子宮内の状態を確認することが目的の一つです。妊娠が子宮内の正常な位置で経過しているか、子宮筋腫や子宮奇形などの有無を含めた基本的な状態を把握します。
初診では、経腟超音波を組み合わせて胎嚢や心拍を確認することも多く、内診とセットで行われるのが一般的です。「妊娠が確認できたかどうかを知る」という節目の検査でもあります。
妊娠20〜24週頃:早産の兆候がないか確認
妊娠20〜24週頃には、子宮頸管の長さや状態を確認する内診・経腟超音波が行われることがあります。子宮頸管が短くなっていないか、開き始めていないかなどを確認し、早産の兆候がないかをチェックします。
この時期の検査で気になる所見があった場合には、日常生活の過ごし方や安静度合いについて医師から具体的な指示が出されることもあります。指示があった場合は、無理をせず生活を調整してください。
妊娠後期:経過と出産に向けた準備の確認
妊娠30週以降の後期は、経過の確認とともに、出産に向けた体の準備が進んでいるかを確認する時期にあたります。子宮頸管の柔らかさや子宮口の状態、赤ちゃんの向きや下がり具合などが確認の対象になります。
この時期には、次に述べるGBS検査など、出産に向けた特有の検査も組み合わされることが多くなります。出産予定日が近づくにつれ、健診の頻度も上がっていきます。
妊娠後期・臨月の内診と関連する検査
出産が近づく時期の内診は、「出産の準備が身体の側でどのように整いつつあるか」を確認する意味合いが強まります。関連する検査も含めて整理します。
子宮口の開き具合・赤ちゃんの下降を確認する
臨月(妊娠37週以降)に入ると、内診で子宮口の開き具合や柔らかさ、赤ちゃんの下がり具合などが確認されます。これらは、出産時期の見通しを立てるための判断材料となります。
「もうすぐ出産だから毎日でも診てほしい」と感じるかもしれませんが、内診で得られる情報だけでは正確な出産日まで予測することは難しいとされています。あくまで参考の一つとして捉え、日々の体調変化に注意しながら過ごすことが大切です。
GBS(B群溶連菌)検査
妊娠35〜37週ごろに、腟内のB群溶連菌(GBS)の有無を調べる検査が行われることがあります。GBSは健康な女性の腟や腸内に見られることがある細菌で、通常は問題を起こしませんが、分娩時に赤ちゃんへ感染することで新生児に影響が出る可能性があるとされています。
そのため、事前にGBSの有無を確認しておくことで、分娩時に必要な対応(抗菌薬の投与など)を準備できるようになります。検体採取自体は短時間で終わる検査です。
妊娠後期は健診の頻度が増える
妊娠後期に入ると、健診の間隔が徐々に短くなります。目安として、次のような間隔で健診が組まれることが多いとされています。
- 妊娠24週まで:4週に1回
- 妊娠24〜35週:2週に1回
- 妊娠36週以降:1週に1回
頻度が上がるのは、出産に向けて母体と赤ちゃんの状態をより細かく確認するためです。健診のたびに内診があるわけではなく、必要に応じて実施されます。
内診は痛い?恥ずかしいときの対処
「痛いのが不安」「恥ずかしくて緊張してしまう」という声は多く聞かれます。ここでは、内診の負担をやわらげるためのポイントを簡単に紹介します。
痛みには個人差がある/力を抜くと楽になりやすい
内診の痛みや違和感には個人差があり、必ずしも強い痛みを伴うわけではありません。緊張で肩や下半身に力が入ると圧迫感を強く感じやすくなるため、深呼吸をして体の力を抜くことが痛みの和らげにつながります。
具体的には、次のような工夫が有効です。
- 診察台に上がったら、まずゆっくり息を吐く
- 膝を左右に軽く倒し、股関節の力を抜く
- 気になる不安は事前に受付や医師に伝える
「痛いです」「もう少しゆっくりしてほしい」と診察中に伝えることも問題ありません。無理をせず、自分に合ったペースで診察を進めてもらいましょう。
よくある質問(FAQ)
Q.妊婦健診の内診は毎回ありますか?
毎回の健診で必ず内診があるわけではなく、初診・妊娠20週前後・24週頃・30週頃・37週以降などの節目で行われるのが一般的です。頻度や実施タイミングは施設や経過によって異なるため、通っている医療機関の案内を確認してください。
Q.内診はいつから始まりますか?
初診時から行われることが多く、その後は妊娠20週前後・24週頃などの節目で実施されます。ただし、必ずしも「〇週になったから内診」というものではなく、経過や必要性に応じて判断されます。心配な場合は、医師や受付に「今日は内診がありますか」と尋ねても構いません。
Q.臨月の内診では何を確認しますか?
臨月(妊娠37週以降)の内診では、子宮口の開き具合や柔らかさ、赤ちゃんの下がり具合などが確認されます。これらは出産までの目安を判断するための情報として用いられますが、具体的な出産日を確実に予測できるものではありません。
Q.GBS検査はいつ受けますか?
GBS(B群溶連菌)検査は、妊娠35〜37週ごろに行われるのが一般的です。分娩時の赤ちゃんへの感染を防ぐために実施されるもので、腟内から短時間で検体を採取します。詳しい実施時期や方法は、通っている医療機関で確認してください。
まとめ
妊婦健診の内診は、毎回行うものではなく、初診・妊娠20週前後・24週頃・30週頃・37週以降といった節目で実施されるのが一般的です。時期によって目的が変わり、前半は子宮や子宮頸管の状態、後半は出産準備や子宮口の状態を確認する意味合いが強くなります。妊娠35〜37週ごろにはGBS検査も組み合わせて行われることがあります。
痛みや恥ずかしさへの不安は誰にでもあるものですが、力を抜くコツを実践したり、事前に医師・看護師に伝えたりすることで軽減しやすくなります。気になる点はその都度相談することで、安心して健診を続けやすくなります。
参考文献
[1] 厚生労働省「標準的な妊婦健診の例」 (https://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/boshi-hoken13/dl/02.pdf)
[2] 日本産科婦人科学会 (https://www.jsog.or.jp/)
[3] 日本産婦人科医会 (https://www.jaog.or.jp/)
