妊婦健診の糖負荷検査とは?目的・時期・流れと基準値をやさしく解説|東京都港区 田町駅・品川駅近くの産科・婦人科|みなとウィメンズクリニック

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妊婦健診の糖負荷検査とは?目的・時期・流れと基準値をやさしく解説

妊婦健診の糖負荷検査とは?目的・時期・流れと基準値をやさしく解説|東京都港区 田町駅・品川駅近くの産科・婦人科|みなとウィメンズクリニック

妊婦健診の糖負荷検査とは?目的・時期・流れと基準値をやさしく解説

「甘いサイダーのような飲み物を飲むと聞いたけれど、つらくないのかな」──妊娠中期の健診で行われる糖負荷検査に対して、不安を感じる妊婦さんは少なくありません。

結論として、妊婦健診の糖負荷検査は「妊娠糖尿病」がないかを調べるための検査です。多くの場合、まず短時間で行うスクリーニング検査(50gの糖を飲むGCTなど)を行い、陽性のときに診断のための75g経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)に進む二段階の流れで実施されます。仮に検査で陽性となった場合でも、適切な食事療法や管理を行えば無事に出産を迎えることができるため、過度に恐れる必要はありません。

この記事では、①糖負荷検査の目的と時期、②スクリーニングと診断検査(50g・75g)の流れと基準値、③陽性だったときの流れと検査のつらさへの備えについて、順を追ってやさしく解説します。

結論:糖負荷検査は「妊娠糖尿病」を調べる検査

糖負荷検査は、妊娠中の血糖値が上がりやすくなっていないかを確認し、妊娠糖尿病を早めに見つけるための検査です。妊娠糖尿病は「妊娠中に初めて発見または発症した、糖尿病に至らない糖代謝異常」と定義されており、妊娠中の女性に見られる比較的一般的な状態です。 「糖尿病」という言葉から強い不安を感じやすい検査ですが、将来にわたってずっと糖尿病であり続けるという意味ではありません。妊娠中はホルモンの影響で誰でも血糖値が上がりやすくなるため、その中で適切な管理が必要な人を早期に発見することが検査の目的です。「怖い検査」と身構えるのではなく、「安全な出産を迎えるための準備」として受けるとよいでしょう。

妊娠糖尿病とはどんな状態か

妊娠中は、胎盤から分泌されるホルモンの影響で、血糖値を下げるインスリンの働きが弱まる「インスリン抵抗性」が高まります。多くの妊婦さんはこの変化に対してインスリンを多く分泌することで対応できますが、処理が追いつかないと血糖値が高めに保たれてしまいます。これが妊娠糖尿病と呼ばれる状態です。 もともとの糖尿病とは異なり、妊娠期に一時的に起こることが多く、多くは出産後に正常へ戻ります。ただし、妊娠中に高血糖な状態が続くと、母体や赤ちゃんへの影響が懸念されるため、早期発見と適切なコントロールが大切です。

早めに見つけて管理することが大切

妊娠糖尿病を早期に発見し、食事の工夫や必要に応じた血糖測定などでコントロールできれば、母体と赤ちゃんへの影響を十分に抑えられます。反対に、気づかないまま高血糖が続くと、妊娠高血圧症候群などの母体リスクや、巨大児・新生児低血糖といった胎児・新生児への影響が懸念されます。 そのため、自覚症状の有無にかかわらず、すべての妊婦さんに糖負荷検査が推奨されています。「今のところ体調に問題がないから受けなくてもいい」と自己判断せず、産科医の案内に従って検査を受けてください。

糖負荷検査はいつ受ける?(検査の時期)

「いつ受けるのか」も、多くの方が気にするポイントです。ここでは、一般的な検査時期の目安を整理します。

妊娠初期と妊娠中期の二段階で調べる

糖負荷検査は、妊娠初期と妊娠中期の二段階で確認を行うのが一般的です。

妊娠初期:初診時などに随時血糖値などを測定し、妊娠前から存在する明らかな糖尿病や高血糖のリスクを早期に確認

妊娠中期(おおむね24〜28週):スクリーニング検査(50gGCTなど)を実施

妊娠中期に検査を行うのは、この時期からインスリン抵抗性が特に高まりやすいためです。

ただし、時期や検査方法は施設によって異なる場合があるため、通っている医療機関の案内に従ってください。

検査の流れ(スクリーニングと診断検査)

糖負荷検査は、二段階の流れで進められるのが特徴です。あらかじめ全体像を把握しておくと、検査当日の見通しが立ちやすくなります。 具体的には、①スクリーニング検査で可能性を絞り込み、②陽性の場合のみ診断検査に進むという2ステップで進められます。

糖負荷検査の二段階の流れ

ステップ1:スクリーニング検査(50gGCTなど)

まず最初に行われるのが、スクリーニング検査です。代表的な方法は「50gグルコースチャレンジテスト(50gGCT)」で、次のように実施されます。

  • 食事の有無にかかわらず、50gのブドウ糖を含む飲み物を飲む
  • 飲んでから1時間後に採血し、血糖値を測定する
  • 1時間値が140mg/dL以上の場合は「陽性」と判定され、精密検査(診断検査)へ進む

※施設によっては、随時血糖(食事のタイミングを問わずに測る血糖値)を用いてスクリーニングを行う場合もあります。スクリーニング検査は「妊娠糖尿病である」と確定するものではなく、「より詳しく調べる必要があるかを見極める」ための網羅的な検査です。

ステップ2:診断検査(75gOGTT)

スクリーニング検査で陽性となった場合、確定診断のための「75g経口ブドウ糖負荷試験(75gOGTT)」が行われます。検査は以下の流れで進みます。

  • 前日の夜から指定された時間以降は絶食し、当日は空腹の状態で受診する
  • 空腹時の状態で1回目の採血を行う
  • 75gのブドウ糖を含む飲み物を飲む
  • 飲み終わってから1時間後、2時間後にそれぞれ採血を行う(合計3回採血)

75gOGTTは、空腹時および糖分摂取後の血糖値の推移を正確に調べるための確定診断用検査です。待ち時間や採血回数は増えますが、安全な出産に向けた重要なデータを提示してくれます。

検査の基準値(妊娠糖尿病の診断)

数値の判定基準を知っておくと、結果の説明を受けたときに理解がスムーズになります。ここでは診断基準値を整理します。

75gOGTTの診断基準値

75gOGTTを実施し、以下の3つの基準値のうち「1つでも」当てはまる場合、妊娠糖尿病と診断されます(日本産科婦人科学会・日本糖尿病学会基準)。

  • 空腹時血糖値:92mg/dl以上
  • 1時間値:180mg/dl以上
  • 2時間値:153mg/dl以上

すべての数値が基準を超えている必要はなく、いずれか1箇所でも上回っていれば診断の対象となります。最終的な判断は主治医が行います。

基準を超えても過度に不安にならなくてよい

診断基準を超えたからといって、過度にショックを受ける必要はありません。妊娠糖尿病と診断されても、適切な食事指導や生活管理、必要に応じた治療を行うことで、多くの妊婦さんが無事に出産を迎えています。

「赤ちゃんに良くない影響があるのでは」と心配になるかもしれませんが、血糖値を適正にコントロールできればリスクを十分に減らせます。まずは担当医の説明をしっかり聞き、指示されたケアを落ち着いて進めていきましょう。

検査はつらい?当日の過ごし方と備え

「甘い飲み物を飲むのが苦痛そう」「空腹での採血で気分が悪くならないか心配」など、当日の検査に不安を感じる方は少なくありません。ここでは少しでも負担を減らすためのポイントを解説します。

甘い炭酸水を飲むときのポイント

検査で使用するブドウ糖液は、甘みの強いサイダーのような味がします。甘いものが得意でない方やつわりが残っている方にとっては、少し飲みづらく感じることがあります。受ける際は以下の点を意識してみてください。 ・指定された制限時間(5分以内など)を守りつつ、味わわずに飲む ・キンキンに冷やしてもらうと、甘さを感じにくくなり飲みやすくなる ・気分が悪くなったら無理をせず、すぐに医療スタッフへ申し出る もし飲んだ直後に戻してしまうと、正確な測定ができず後日再検査になってしまうことがあります。吐き気や体調不良を感じたら、我慢せずに周囲の看護師やスタッフへ声をかけてください。

空腹での採血に備える(75gOGTTの場合)

75gOGTTは絶食状態で受ける必要があるため、病院から指定された指示(前日夜からの絶食時間など)を必ず遵守してください。当日の朝は、水以外の飲み物や食事、ガム、あめなども口にしないのがルールです(※水分補給の水は飲んで差し支えないケースが多いですが、施設の指示に従ってください)。 検査終了までに2〜3時間ほどかかるため、待ち時間にリラックスできる本や動画、検査後に飲むためのお水を持参するとよいでしょう。空腹による体調不良やふらつきが心配な場合は、パートナーやご家族に付き添ってもらうと安心です。

検査で陽性(妊娠糖尿病)と言われたら

結果が「陽性」と告げられると、多くの方がショックを受けたり動揺したりします。しかし、妊娠糖尿病は適切なケアを行うことでコントロール可能な状態であり、医療スタッフのサポートを受けながら過ごすことができます。

食事の工夫や血糖測定で管理していく

妊娠糖尿病と診断された場合、まず最初に取り組むのが食事療法や日常的な血糖管理です。1日の食事量を大きく変えずに回数を複数回(1日4〜6回など)に分ける「分割食(分食)」によって、食後の血糖値の急上昇(スパイク)を抑える方法などが一般的です。 必要に応じて、自分で指先などから血糖値を測定する「血糖自己測定(SMBG)」や、インスリン注射などの専門的な治療が組み合わされることもあります。具体的な治療方針については、必ず主治医の指導に従って進めてください。

出産後も経過を確認することがある

妊娠糖尿病は、出産に伴って胎盤が排出されるとホルモンの影響が薄れるため、多くは出産後に血糖値が正常に戻ります。しかし、妊娠糖尿病を経験した方は将来的に2型糖尿病を発症するリスクが通常より高くなることが知られているため、産後(一般的に6〜12週間後)にも再度の血糖検査(75gOGTTなど)が推奨されています。 「無事に出産できたら終了」と自己判断せず、産後の女性自身の健康維持のためにも定期的な健診を受け続けることが大切です。産後もバランスの良い生活習慣を意識することが、将来の病気予防につながります。

よくある質問(FAQ)

Q.糖負荷検査はいつ受けますか?

妊娠初期に随時血糖値などの確認を行い、妊娠中期(おおむね24〜28週)にスクリーニング検査を行うのが一般的です。実施時期や具体的な検査方法は医療機関によって異なる場合があるため、通っている産科の指示に従ってください。

Q.50gと75gの検査は何が違うのですか?

50gGCTは「精密検査が必要な人をふるい分けるスクリーニング検査」、75gOGTTは「妊娠糖尿病であるかを確定診断する検査」という目的の違いがあります。飲むブドウ糖の量や採血回数、前日からの絶食の有無などの手順も異なります。

Q.検査の前は食事をしてもいいですか?

50gGCTは食事の有無を問わず受けられる場合が多いですが、75gOGTTは事前に一定時間の絶食(空腹状態)が必要です。通院先の医療機関から指定された注意事項や絶食時間を必ず守って受診してください。

Q.妊娠糖尿病と診断されたら赤ちゃんに影響しますか?

食事療法や適切な治療で血糖値をコントロールできていれば、母体や赤ちゃんへの影響を十分に抑えられます。診断を受けたからといって過剰に恐れず、医師や管理栄養士の指導に沿って生活リズムを整えていきましょう。不安な点があれば、主治医へ相談することが一番の安心につながります。

まとめ

妊婦健診で行われる糖負荷検査は、妊娠糖尿病を早期発見し、母子の安全を守るための大切な検査です。妊娠初期と妊娠中期の二段階で実施され、まずはスクリーニング検査(50gGCTなど)を行い、陽性の場合は確定診断のための診断検査(75gOGTT)へと進みます。診断基準は空腹時92mg/dL以上・1時間値180mg/dL以上・2時間値153mg/dL以上のいずれか1つでも該当する場合とされています。 もし陽性と判定されても、食事の工夫や適切な治療でコントロールできることが多いため、落ち込みすぎる必要はありません。検査当日は指定された絶食時間を守り、飲む途中で気分が悪くなった場合は無理をせずスタッフへ伝えてください。不明な点や不安なことはネットで調べ続けずに、主治医や助産師へ相談して解決していきましょう。

参考文献

[1] 日本産科婦人科学会 (https://www.jsog.or.jp/)

[2] 日本糖尿病学会 (https://www.jds.or.jp/)

[3] 国立成育医療研究センター (https://www.ncchd.go.jp/)

この記事の監修者

みなとウィメンズクリニック 院長・医学博士 りゅう かんば

みなとウィメンズクリニック

院長・医学博士 りゅう かんば

周産期医療から不妊・内分泌医療、産婦人科救急まで幅広く研鑽を積み、女性のライフステージに寄り添った診療を大切にしています。
超音波検査や無痛分娩、麻酔の経験も活かし、安全性と丁寧な説明を重視した医療を心がけています。

経歴
2007年3月:聖マリアンナ医科大学医学部 卒業
2007年4月~2009年3月:東京女子医科大学病院にて初期臨床研修 修了
2009年4月~2016年3月:東京女子医科大学 産婦人科学講座
2016年4月~2019年10月:東京ベイ・浦安市川医療センター 産婦人科
2016年10月~:東京女子医科大学東医療センター 麻酔科
2020年7月:みなとウィメンズクリニック 院長就任
資格・所属
産婦人科専門医
日本美容内科学会 会員
母体保護法指定医
麻酔科標榜医
医学博士
臨床研修指導医

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