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思春期診療・更年期診療

Prenatal Testing

Puberty思春期外来

院長から、ご本人様、御親族の皆様へ

初めまして、みなとウィメンズクリニック院長のりゅうです。
私の医療理念として予防医学に力を入れております。10歳代の方でも様々な婦人科的な問題をかかえております。ネット検索等で調べることも可能な時代ですが、放置にすると、将来問題になる病気も多く、ご自身、ご家族で調べ対処することも大事ですが、産婦人科クリニックで相談の上対応することで、より将来の生活の質が上がると考えております。
具体的には、生理不順や無月経、生理痛、月経前症候群等、月経に関連した病気で日常生活に支障をきたしている方は多く、特に月経痛の原因として、子宮や卵巣、外陰部、膣に関連した病気が中に潜んでいる場合もあります。
また、現在ほとんど問題がないものの、症状が出づらいクラミジアという性病や月経不順や無月経、子宮内膜症等の病気が悪化すると、将来、性交障害や不妊症、子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんのリスクが上がったりする場合もあります。そうなる前に、どんな悩み事でも構いませんので、ご家族と(場合によりお一人でも)ご相談にいらしてください。

1. 当院の思春期診療について

10歳代の患者様は基本的にお腹からの超音波検査が基本になります。(原則、内診台では診察を行いません)

主な診察内容(詳細は各ページをご参照ください)

月経移動

受験や旅行等イベントと生理がぶつからないよう、生理を遅らせたり、早めたりすることが可能です。

月経困難症(生理痛)

若年では子宮の病気がないことがほとんどですが、子宮内膜症等が原因となります。放置にすると、将来、性交障害や不妊症、卵巣がんリスクの上昇等、様々なトラブルを生じる場合があります。

頻発月経(月2回程)、月経不順、稀発月経(約2ケ月に1回程)

基本的に10代の患者様にはよく認めますが、低用量ピルを内服することで月経周期を整えられます。

緊急避妊ピル

性交渉後72時間以内であれば、ほぼ避妊可能です。避妊失敗された際は早急にご受診ください。

陰部のかゆみ

どうしても検査の必要がある場合を除き、基本的には経腟ではなく内服加療で対応致します。

ヒトパピローマウィルスワクチン接種

10歳台でワクチンを接種することにより、20歳代以降の子宮頸がんや尖圭コンジローマという性病を予防することができます。男の子でも投与可能です。まずは、ご相談下さい。

インフルエンザワクチン

6ケ月以降であれば何歳の方でも受けられます。男性の方でも受けられます。

無月経症

ストレスや体重の増減により月経が3ケ月間来ない場合がほとんどですが、まれに婦人科的な生まれつきの異常により、生来一度も月経がこない方もいらっしゃいます。まずは、ご相談ください。

Menopause更年期外来

2. 当院の更年期障害の診療について

更年期外来

女性のからだは、一生を通じて女性ホルモンである卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の影響を受けています。特にエストロゲンは、女性のライフステージによって分泌量が大きく変化します。
閉経とは月経が永久に停止することを指します。具体的には1年間生理がないことを確認して初めて閉経したと言えます。この場合は、最後の生理があったときの年齢が閉経年齢になります。更年期は女性ホルモンが急激に減ることで閉経前後5年で下記症状を認めることがあります。

更年期の症状

  • のぼせ、ほてり、発汗・口の渇き、のどのつかえ、肩こり
  • 食欲不振、吐き気、便秘、下痢、腹痛
  • しびれ、知覚過敏、関節痛、筋肉痛
  • 頭痛、めまい、耳鳴り、物忘れ、集中力の低下、不眠、不安感、疲労感
  • 動悸、息切れ
  • 皮膚や粘膜の乾燥、かゆみ
  • 性交障害、膣炎、膣入口部周辺の違和感等

更年期障害の治療法

① プラセンタ注射

年齢45歳~59歳の女性については保険適応になりますので、費用は普通の治療と同じ保険の範囲内で行います。(週2回、1回1アンプル)
プラセンタとは「胎盤」のことです。胎盤は赤ちゃんのへその緒と繋がっていて、酸素や栄養を赤ちゃんに届け、赤ちゃんを育てる役割を持っています。胎盤には細胞を育て、胎児の成長を促進させる沢山の成長因子(たんぱく質やアミノ酸、核酸、ビタミン等)の栄養素が大変豊富につまっています。プラセンタエキスとは人のから抽出されたエキスの有効成分で、自然治癒力を増大させます。このプラセンタエキスを注射することにより、美容や疲れ等に効果を発揮するとも言われています。
医療に使われているプラセンタ注射薬はメルスモン(更年期症候群)とラエンネック(肝障害の改善と更年期症候群の改善)の2つの製剤が厚生労働省で医薬品として認可されています。いずれも日本国内の産婦人科で健康な母親から正常分娩で産まれた胎盤を使用して作られたものです。プラセンタ注射を一度でも接種すると献血ができなくなります。その理由は、ウィルスや細菌は高圧蒸気滅菌により不活化し制約されています。しかし、ヒト胎盤を使用しているため、現在の技術で検出限界以下のウィルスが混入している可能性は完全には否定できません。現在までのところはプラセンタ注射による感染の報告はありません。

② 漢方療法

全ての女性が更年期が辛いとは限りません。とてもつらい日々を過ごす人がいる一方で、大きな不調もなく、楽に過ごす人がいるのも事実です。このように個人差が大きいのも更年期障害の特徴です。
この違いはいったいどこから来るのでしょう。漢方では体質の違いが影響していると考えています。漢方では体は「気、き」「血、けつ」「水、すい」の3つの柱で支えられていると考えられています。この気・血・水の3つの柱が太く、頑丈であれば、風が吹こうが嵐が来ようが、揺らぐことはありません。しかし、もしこの柱が傾いたり、弱っていると、どうでしょう。3つの柱の状態は一人ひとり違います。この違いが体質の違いです。柱の状態によって、更年期という嵐に耐えられるかどうかが決まります。それぞれが不足している状態:気虚ききょ、血虚けっきょ、津虚しんきょながれが滞っている状態:気滞きたい、血於けつお、水滞すいたい漢方では、更年期の女性の体は気→血→水の順に柱が崩れやすいといわれています。

  • 初期:気の不調(気虚、気滞)憂鬱やイライラ等の精神不安、顔が赤くなる、ほてり、のぼせ等の熱感、急な発汗(ホットフラッシュ)頻尿など
  • 中期:血の不調(血虚・血於)動悸・息切れ、手足の冷え、手足の脱力感やしびれ、不眠、焦燥感や不安感、高血圧、頭痛、頭重、月経の乱れ等
  • 後期:水の不調(津虚、水滞)悪心、嘔吐、めまい、耳鳴り等

いま症状が出ていなくても、加齢とともにこれから症状が出る可能性は大いにあります。油断せず、今のうちから3本の柱をしっかり整えておきましょう。

加味逍遥散 気滞、血滞、水滞

一番よくつかわれる漢方薬。乱れた気のバランスを整え、同時に過剰な熱を抑えてくれるため、イライラ、抑うつ等の精神不安を改善するだけでなく、のぼせやほてり、ホットフラッシュ等の熱症状も抑えてくれます。また、血けつを補い、水のめぐりを良くするなど、気血水全体を整える生薬がバランスよく配合されているのも魅力。3本柱をバランスよく整えてくれます。

柴胡加竜骨牡蠣湯さいこつかりゅうこつぼれいとう気滞、気虚

不安神経症や対人恐怖症などによく使われる漢方薬。気を整え、沈静してくれる生薬がしっかり配合されているため、不安感や恐怖感が強い、眠れない等の更年期の神経症に限らず、様々な神経症を改善します。また動悸や不眠にも対応し、更年期におこりやすい症状に幅広く対応します。比較的体格の良い人お勧めの薬。

加味帰脾湯 気虚 気滞、血虚

顔色も優れず、心身ともに疲れている・・・そんな弱っているからだを改善。特に胃腸の弱いタイプにお勧めで、気と血を補う生薬がしっかり配合され、弱っている気、血を整えてくれます。不安感や悲哀感が強い等の精神不安や神経症だけでなく、加味逍遥散同様、過剰な熱を抑える生薬も入っているため、イライラやほてり等の熱の症状も改善してくれます。また、貧血や寝つきが悪い、眠っても眠りが浅いすぐ目が覚めるといった不眠症にも効果的。幅広く改善してくれる漢方薬です。

③ ホルモン補充療法(HRT)

HRTは欠乏している女性ホルモンと黄体ホルモンを補うことで、以下効能を認めます。

  • のぼせ、ほてり、発汗などの症状の改善
  • 性器の萎縮で起こる膣炎や性交痛の改善
  • 骨が溶け出すのを抑え、骨量を維持し、骨粗鬆症を予防する

尚、HRTは子宮体がんや乳がんのリスクが上がるため、当院では子宮体がん検査、乳がん検査を原則加療前に勧めております。