全般的に対応致します。
婦人科
Gynecology
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※子宮頚がん検査+経腟超音波検査のセットを自費で低価格で行えます。子宮、卵巣等を詳しく見る場合は超音波検査の併用をお勧めします。7月1日から1月31日までの期間限定で港区区健診を実施しています。該当する方は無料で子宮頚がん検査が受けられます。(区健診予約はこちら)
女性の病気として、子宮筋腫や卵巣嚢腫、子宮内膜症等の良性疾患から子宮頚がん、子宮体がん、卵巣がん、乳がん等の悪性疾患があります。
重症化すると月経異常や不妊症等、日常生活に支障が出る場合があります。
これらの病気を初期の段階で発見するために、当院では超音波検査併用をお勧めしております。
子宮頸がん検査で異常が認められた場合に行う精密検査用の医療機器です。同時に組織検査を行う場合もあります。他院で異常を指摘された方や、以前に異常を指摘された方もご希望あれば当院でフォローアップさせて頂きます。
全般的に対応致します。
30歳以降になると約30%の女性が子宮筋腫を持っているとも言われています。
子宮にできる良性の腫瘍(こぶの様なもの)です。一般的に腫瘍と言われイメージする癌とは違い命にはかかわりません。筋腫は一つしかできない方もいれば沢山できることもありますが、ほとんどの子宮筋腫は経過観察で大丈夫です。一般的には閉経してしまえば悪さをすることはほとんどありません。
無症状の方も多く検診などで初めて指摘されることもありますが、一般的には月経に伴う症状で見つかる方が多くなります。以下の症状のある方は筋腫があるかもしれません。特に出血が多いなど月経に伴う症状が強い方と、なかなか妊娠しない方は一度検査を受けられた方がいいでしょう。
月経のある女性の10%程度の方は子宮内膜症があると言われています。排卵と月経が病気を悪くし、閉経するまでは病気とうまく付き合わなければなりません。卵巣にできる子宮内膜症性嚢胞(チョコレート嚢胞)子宮内膜症と思われていますが、腸や膀胱やお腹の中の腹膜(お腹を包んでいる袋)等、様々なところに発症します。子宮内膜が子宮の筋肉に発生するものを子宮腺筋症と呼びます。20~40歳頃は痛みや不妊の原因になり、40歳以降になると卵巣がんに関係します。診察する医師により病気の診断は大きく影響を受けます。生理痛が気になる場合や妊娠できない場合は躊躇せずに受診をお勧めします。子宮内膜症は気づかないうちに悪くなっていく病気です。生理痛や不妊症の原因になるとされています。以下のような症状のある方は子宮内膜症があるかもしれません。
子宮頸管に良性の腫瘍(ポリープ)ができて、それが子宮口から垂れ下がってくる病気です。2-3㎜の小さなものから、1cm程のものまで大きさは様々です。また、できる数も一個だけのものから数個できることもあります。ポリープが子宮口から膣にはみ出していることで、検診で見つかることが多いです。
痛みや違和感はありませんが、ポリープの粘膜は出血しやすいので、性交渉や激しい運動のあとに出血したり、何もしないのに不正出血があることもあります。治療法としては切除が一般的ですが、小さく、症状もないポリープはそのまま経過観察する場合もあります。切除は、ポリープの根元を捻じって切るだけの簡単な処置ですので、痛みも出血も少なく、通常入院せずに行うことも多く、妊娠中でも切除は可能です。子宮頸管ポリープは、再発を繰り返しやすい特徴があります。そのため、切除した後も、1年に1回は定期検査を行うことをお勧めします。
子宮内膜の細胞の一部増殖してできる良性の腫瘍です。無症状のことが多いのですが、不正出血・過多月経・不妊症等の原因になることがあります。超音波検査などを行った時に、たまたま見つかる場合多いです。より詳しい診断をするには子宮鏡検査が必要になります。
卵巣の中に袋状の病気ができて、水や油やゼリー状の物など様々な内容物が溜まってできています。溜まるものの種類によりいくつかの病気に分かれます。
多くは無症状ですがある程度の大きさ(5㎝以上)になってくると、捻じれたり(茎捻転)、破れたり(破裂)して急激な腹痛の原因となることが出てきますので、手術を考慮する必要が出てきます。超音波検査やMRIで診断が可能です。
早期発見、早期治療が大切です。性病・性感染症(STD)は、感染している人との性行為により感染します。病原菌を含む精液、膣分泌液、血液等が、口や性器の粘膜、皮膚などに接触することで感染がおこります。
10~30代で急増している性感染症(性行為でうつる病気)です。世界的にも最も多い性感染症です。男性では尿道炎、女性では子宮頚管炎(子宮の入り口の炎症)として起こり、男女とも多くの無症状の感染者がいます。
女性では①骨盤腹膜炎(腹痛や発熱等)②不妊症③子宮外妊娠 等、様々なトラブルを引き起こします。子宮頸部に感染している場合20%の方は咽頭にも感染していることがありますので、必要に応じて検査を行います。また、妊娠中には流早産の原因にもなりますので確実な治療が必要です。治療には抗生剤の内服治療を行いますが、治らない場合には点滴などを行うこともあります。3週間後に再検査を行います。また、男女同時に治療を行うことが進められます。
淋菌による感染症です。淋菌は性感染症(性行為でうつる病気)として子宮頸管炎を起こし、不正出血や帯下の増加の原因となります。また、尿道炎を併発することも少なくありません。感染が腹腔内に波及すると不妊症やひどい腹膜炎の原因となることがあります。
感染者が性行為を行った場合、一回の性行為で30%の確率でパートナーに感染するとされており、男女同時の治療が望ましいと考えられています。治療には抗菌剤の内服や点滴注射治療を行います。最近は耐性菌(薬が効かないタイプ)も増えてきていますので、3週間後の再検査が非常に重要です。
尖圭コンジローマとは、非常に厄介で痛みのない小さなできものがだんだんと広がっていき、簡単には治りにくい性感染症です。原因は、HPV(ヒトパピローマウィルス)6型、11型によって感染し、最短でも3週間、長ければ9ケ月の長い潜伏期(病気が発症するまでの間)を経て、無病性(痛みのない)の小さなできものが、静かにゆっくり、だんだんと外陰部、小陰唇、肛門周囲、直腸、尿道口、膣内、子宮の頸部(入り口のところ)等で広がっていきます。
また、尖圭コンジローマは、他の性感染症(クラミジアや梅毒)等と合併していることが多く、自分で気がつくときには、かなり広がっているケースがほとんどです。10%~20%は自然に無くってしまうケースもありますが、この病気がウィルス潜伏によって発病することから、治療は単独では難しく、再発を繰り返すことが特徴的です。外陰部だけに少数できものがある場合はべセルナクリームを2週間ほど塗ることで治るケースもあります。しかし、多くの場合、外陰部だけにできているのではなく、色々な場所に非常に多くのできものが存在してきますので、他の部位にはべセルナクリームを塗りようがありません。その場合は、液体窒素などで対応する場合もあります。
性感染症のひとつであり、単純ヘルペスウィルスが性行為等によって性器に感染して発症します。潜伏期は2~10日間とされています。初感染による発症では、女性の場合重い症状が現れるケースが多くなっており、歩行困難になるケースもあります。初感染時の主な症状は、外陰部の強い痛み、排尿痛、鼠径部リンパ節の腫れや痛み、発熱、頭痛、外陰部にできて痛みを伴う水疱があります。水疱が破れると潰瘍になります。症状が治まってもウィルスが感覚神経節に潜伏し、睡眠不足や過労等で免疫力が下がると再発します。ただし、再発時には初感染時のような強い症状が現れることはほとんどなく、違和感やかゆみ程度で収まってしまうこともあります。症状が強い場合や、潰瘍がある時期には感染力が強いため、使用したタオル、便座、入浴等に十分な注意が必要です。抗ウィルス薬による治療を行いますが、再発の頻度が高い場合には症状が治まってからも暫くは継続して治療を続ける必要があります。
膣口にあるバルトリン腺の排出管開口部にのう胞ができている状態です。バルトリン腺のう胞は、炎症や損傷などによって開口部が閉塞して内部に非感染性の液体が溜まっている状態で、感染を起こしている場合には炎症を起こす膿瘍になります。バルトリン腺のう胞自体は痛みなどを起こしませんが、感染して膿瘍になると腫れや痛み、熱感、発熱等の症状を起こします。バルトリン腺のう胞は中の液体の吸引や切開による排出といった治療を行います。膿瘍になっている場合には、炎症を解消するために抗生剤を用いた治療が必要です。尚、繰り返しのう胞や膿瘍を発症するケースではバルトリン腺のう胞摘出術や造得袋術といった根治治療を検討します。
陰毛の毛穴から毛根部分である毛包に炎症を起こしている状態です。毛穴が傷つく等して細菌が毛包に入って炎症を起こします。ムダ毛処理や細菌が繁殖しやすい月経中に発症しやすくなっています。赤い丘疹ができる、または膿包という膿がたまった丘疹ができます。痛みが起こることが多く、かゆみを起こすことは比較的少ないとされています。細菌感染によって起こっているため、抗生剤による治療を行います。
尿道の出口に生じる良性腫瘍です。乳頭状のできもので、違和感や出血を伴うため、下着に血液が付着する、痒みや痛みなどで気づくケースが多くなっています。更年期以降の女性に多く、ステロイドの塗布による治療が行われます。保存的療法で改善しない場合には、外科的な治療も検討されます。
膣内は元々、常在菌(乳酸菌等)によって弱酸性に保たれており、雑菌の感染を防止しています。(自浄作用)何らかの原因でこの自浄作用が弱まると雑菌が侵入しやすくなり、膣炎がおきます。
自浄作用が弱まる原因:頻繁に膣を洗浄する。タンポンの使用、Gパンやガードルの蒸れ、妊娠中、抗生物質の服用、抵抗力の低下(睡眠不足、風邪、その他体調不良)感染している病原菌を見極めて、それぞれに合った治療をおこないます。
カンジダは健常な人の膣内や皮膚等にも存在しているものであり特殊な疾患ではありません。性交渉によって感染するというよりは、抗生剤の内服後や睡眠不足、疲労、ストレスなどを伴うときによく発症します。外陰部と膣の掻痒感や痛み、灼熱感等を伴うことがあります。
酒粕状やヨーグルト状の白色の帯下が増加することが特徴です。抗真菌薬の軟膏や膣錠で治療しますが、月経時や月経前等の時期や性交渉の有無によっては内服治療を行うこともあります。ウォシュレットや石鹸の使い過ぎに注意することも大切です。
原虫による感染症です。20~50%の方は無症状ですが、泡状の悪臭の強い帯下や外陰部や膣の痛みや掻痒感を伴います。公衆浴場等での感染もありますが、性行為によっても感染し、再発を繰り返すことが少なくありません。そのため、パートナーと同時の治療及び次回月経後の再検査が重要です。
治療は内服治療を行います。この内服治療中の飲酒は腹痛や嘔吐の原因となりますので3日間は禁酒が必要です。
おりものの検査で、上記に述べたもの(カンジダ、トリコモナス、淋菌等)以外の病原菌が原因の膣炎を指します。カンジダ同様、膣内の自浄作用が弱まった時に発症しやすくなります。症状は軽く、抗生剤の膣錠で治療します。
生理が始まる前の時期にお腹の張り、イライラ、頭痛、抑うつ等の心身の不調という症状が現れる場合、月経全症候群(PMS)の可能性があります。生理の10日前~3日前までにこうした症状が現れて、月経が開始すると症状がなくなります。月経のある女性の3~5%に月経前症候群があると報告されています。月経困難症もあるケースも多くなっています。
原因としてはホルモンバランスの乱れやストレスの関与が指摘されていますが、はっきりとした原因は分かっていません。
いずれの場合も排卵障害に関連しており、長期間放置しておくと子宮体がんや不妊症の原因となります。ホルモン療法や漢方療法を用いて治療を行います。受診の際は基礎体温をつけている方はご持参ください。当院でも婦人体温計や基礎体温表を販売しております。
旅行やスポーツ、大切なイベントの日程が生理と重なるので、生理の周期をずらしたい。こういう場合、中用量ピルを内服することによって、生理日の調整(月経移動)が可能です。また、予定があらかじめ分かっている場合は早めに受診して頂き、生理を早めることも可能です。
ピルは1日1錠をきちんと内服する必要があります。服用を忘れると、不正出血を生じたり、生理がきてしまうことがあります。また副作用として、嘔気、頭痛、乳房の張り等を生じることがあります。
生理の予定日のおよそ5日前からピルを飲み始め、生理を避けたい日まで内服します。ピルを内服している期間中は生理が来ません。通常、飲み終えてから2-4日で生理がきます。この方法では、排卵日以降にピルを内服するので、妊娠の可能性がないことが条件になります。
生理が始まって2-3日目からピルを飲み始め、生理を避けたい日の10日前まで服用します。飲み終えてから2-4日目でいつもより少ない量の生理が来ます。この方法では、できるだけ早めに受診する必要があります(ずらしたい生理のひとつ前の生理が始まる前に受診してください)また、この方法では、低用量ピルを使用することもできます。中用量ピルに比べて、嘔気や頭痛等の症状が出にくいとされます。
詳しくは ワクチン接種のページ をご参照ください。
子宮の細い部分(頸部)の先端が膣の奥に突き出ていて、子宮頸部の上皮(粘膜)から発生するがんのことを子宮頸がんといいます。がんは、はじめは上皮の中にとどまっています(上皮内癌)が、次第に子宮の筋肉に浸潤します。さらに膣や子宮のまわりの組織に及んだり、骨盤内のリンパ節に転移したりします。さらに進行すると、膀胱・直腸を侵したり、肺・肝臓・骨などに転移したりします。
子宮頸がんは40、50代に最も多い病気ですが、20代の人や80歳以上の人にもみられます。
HPV(ヒトパピローマウィルス)というウィルスの感染が原因で起こることが発見されていますが、性交渉を経験したことのある女性の80%が感染するといわれています。感染したからといって、すぐに発症するわけではありません。人間の免疫力によって多くの場合は、ウィルスは体から自然に排除されます。しかし、排除されずウィルスが子宮頸部に残り、長い間感染が続いた場合には、その部分の細胞が少しずつがん細胞へと進行していき、子宮頸がんとなります。
症状としては月経中でないときや、性交渉の際に出血したり普段の違う帯り物が増える、月経血の量が増えたり月経期間が長引く等気になる症状がある時は、早めに病院を受診することで、早期発見につながります。
子宮頸がんの検診は、通常の細胞診のみを行いますが、細胞診の結果が疑われた時には、精密検査として、組織診、コルポスコープ診(膣拡大鏡による診察)を行います。がんの広がりを診る検査としては、内診、直腸診、超音波検査、CT,MRI検査等があります。また膀胱鏡、直腸鏡、尿路検査等があります。
子宮頸部(子宮の入り口)を検査専用の綿棒やブラシでこすって採取した細胞を顕微鏡でみて診断します。細胞の検査では細胞の異型(形の異常)等から正常なのか精密検査(コルポスコピー、狙い組織診)が必要なのかを判断します。子宮頸がん検診は確実な検診ではないため、この検査に引っかかった場合は追加検査や精密検査を行い、その後の治療方針を決めることになります。
7月1日から1月31日までの期間限定で港区区健診を実施しています。該当する方は無料で子宮頚がん検査が受けられます。(区健診予約はこちら)
子宮体がんは、内膜、筋層、漿膜と子宮体部が3つの層からできているなかで、内膜から発生するもので、子宮内膜がんとも呼ばれています。発生の初期ではガンはまだ内膜に留まっていますが、病気の進行と共に子宮の筋肉組織に広がったり(浸潤)、子宮頸部・膣・膀胱・直腸等子宮の周辺臓器へ広がったり(播種)、血管やリンパ管の流れに乗って肝臓・肺・骨・リンパ管等に広がったり(血行性・リンパ行性転移)します。
特にこの20年間で約4倍近くまで増えており、婦人科に関するガンの中では最も患者数の多いがんとなっています。未産、不規則な月経、排卵障害、肥満、高血圧、糖尿病、乳がん、大腸がん等があるとリスクが高くなる傾向があり、50~60歳代で多く診断されています。最もよく認める症状は膣からの出血であり、出血を認めたときには、子宮体がんの検査を受けることが進められています。
子宮体部がん検診とは生理以外に不正出血が続く方で必要と思われる方に検査を行います。まず、内診と超音波検査(エコー検査)を行い、子宮体部がん検査が必要と判断された場合に子宮の中に1-2㎜くらいの細いブラシを入れて細胞を採取します。この際に軽度の痛みと出血を伴うことがあります。
卵巣は子宮の左右に一つずつあり、通常では2-3㎝ぐらいの大きさです。ここに発生した腫瘍が卵巣腫瘍であり、大きいもので10cmを超えるものもあります。卵巣腫瘍はほとんど良性ですが、中には悪性腫瘍(がん)の場合もあります。卵巣がんは初期には自覚症状に乏しく、腫瘍が増大したり、腹水がたまったりしてから、お腹が張って苦しくなったり、下腹部痛、頻尿などの症状が出現します。時には腫瘍が破裂したり、捻じれたりして、突然の強い下腹部痛が出現することもあります。
卵巣検診は膣内に超音波(エコー)の機械を挿入して卵巣のう腫や卵巣がんの診断をします。超音波(エコー)検査は非常に有用で小さな卵巣のう腫や早期の卵巣がんの発見に役立ちます。性交経験のない方でもお腹や直腸から超音波をすることでほぼ同等の検査を受けて頂くことが可能です。
もし、超音波検査で異常があれば腫瘍マーカー採血やMRI検査等で精密検査を行います。
子宮頸部細胞診:子宮の入り口(外子宮口)付近を綿棒、ブラシ等のような器具でこすって細胞を採取し、顕微鏡で正常な細胞かどうかを確認します。この検査で生じる痛みは、普通、それほど強いものではありません。
ヒトパピローマウィルス検査:子宮頸部細胞診と同様の手法で粘液を採取致します。
子宮内膜細胞診:直接、子宮の内部に細い棒状の器具を挿入して細胞を採取します。細胞診で異常を認めた場合は、精密検査である子宮内膜組織診を行います。
超音波検査(経腟、経腹):卵巣が腫れているかどうかと、腹水が溜まっているか確認します。特に卵巣がんの初期は無症状のことが多く、他の婦人科疾患と同様、必須の検査です。
乳がんは11人に1人が発症する恐れのあるガンで、発症する方は年々増加傾向にあります。国立がんセンターがん情報サービス「がん登録・統計」の2017年のがんによる死亡者数(女性)によりますと乳癌による死亡者数は上位6位でした。乳がんは男性でも罹患することがありますが、罹患数の約99%は女性です。2005年、2010年、2015年の乳がんの年齢階級別罹患数のデータを見てみますと、乳がんの罹患数はCAGR(2005年~2015年平均成長率)で6.44%で増えており、調査年に関わらず乳がんの罹患数は、20代後半から徐々に増え始めて40代になると急増します。乳がんには0期~Ⅳ期とステージがあり、しこりの大きさや転移の有無で乳がんのステージが決まります。大きさが5㎜~1㎝程度のしこりですと、自分で注意深く確かめてみると分かるしこりの大きさとなります。月一度くらいのペースでセルフチェックをすることをお勧めします。特に乳がんは、がんの中でも早期治療が大切だと言われています。乳がんのステージが進むにつれ、10年生存率が下がってくるため、早期発見、早期治療を心がけることがとても大切です。
かつては不治の病だと言われていたがんですが、乳がんは治療すれば90%超の女性が診断してから5年後も生存していることが調査で分かっております。乳がん検診は少なくとも1年に1回は受けることが推奨されております。
当院では、乳房触診以外に乳腺超音波検査を併用しております。40代以降で乳がんにかかりやすくなってきますが、稀に家族性乳がん症候群等乳がん発症のリスクが高い方には35歳未満の方にも乳腺超音波検査を勧めております。
また、超音波検査の結果によっては、マンモグラフィーを撮影したり、乳腺外科の医師へ紹介する場合もあります。
女性は月経周期や妊娠、出産を経て、ホルモン環境が刻一刻と変化していきます。その中で、子宮、卵巣以外に、乳腺も様々な様相を呈します。
ホルモン状態を意識しながら、乳腺を確認をすることで、適切なタイミングで乳腺外科への精密検査のご紹介が可能と考えます。