
妊娠がわかったら、まず必要になるのが母子手帳と妊婦健診です。「母子手帳はいつどこでもらえる?」「妊婦健診では何をする?」といった疑問は、初めての妊娠では当然のことです。
本記事では、母子手帳のもらい方や必要書類、妊婦健診の内容とスケジュールについて詳しく解説します。妊娠初期に必要な手続きと健診の全体像を把握し、安心して妊娠生活をスタートさせましょう。
母子手帳とは?正式名称と役割

母子手帳の正式名称は「母子健康手帳」といい、市区町村から交付される公的な記録手帳です。妊娠中から小学校入学前まで、お母さんと赤ちゃんの健康状態を一貫して記録します。
母子手帳は日本で1948年に始まった制度で、現在では50カ国以上の国や地域で採用されています。妊娠中の健診結果、出産時の状況、乳幼児の成長記録、予防接種の記録などが一冊にまとめられており、生涯にわたる健康記録として活用できます。
妊娠・育児に関する情報も掲載されているため、初めての妊娠で不安を感じている方にとってガイドブックとしても役立ちます。
妊婦健診で母子手帳が必要な理由

妊婦健診で母子手帳が必要な理由は主に3つあります。
1.妊娠経過を継続的に記録するため
第一に、妊娠経過を継続的に記録するためです。血圧や体重、尿検査の結果などを毎回記録することで、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病といった合併症の早期発見につながります。
妊娠中の変化を時系列で把握できることが、安全な出産に向けた重要な情報となるのです。
2.緊急時の情報共有のため
第二に、緊急時の情報共有のためです。外出先で体調が急変した場合や、旅行先で医療機関を受診する必要が生じた場合、母子手帳があればこれまでの妊娠経過や検査結果を正確に伝えることができます。
妊娠中は常に母子手帳を携帯することをおすすめします。
3.妊婦健診補助券を使用するため
第三に、妊婦健診補助券を使用するためです。母子手帳と一緒に交付される補助券により、妊婦健診費用の一部助成を受けることができます。
この補助券は母子手帳とセットで管理されているため、健診の際には必ず持参する必要があります。
母子手帳なしでも妊婦健診は受けられる?

母子手帳がなくても妊婦健診を受けることは可能です。医療機関では妊娠の診断や健診を断ることはありません。
ただし、母子手帳なしの場合、妊婦健診補助券が使えないため健診費用が全額自己負担となります。1回につき数千円から1万円程度かかるため、経済的な負担が大きくなります。
また、これまでの健診記録がないと、血圧や体重の推移、過去の検査結果などが確認できず、医師が妊娠経過を正確に把握することが難しくなります。
妊娠が判明したら、できるだけ早めに母子手帳の交付を受けましょう。
母子手帳のもらい方と必要書類

母子手帳の交付手続きは、妊娠が確定したら最初に行う大切な手続きです。ここでは交付場所や必要書類、受け取りのタイミングについて詳しく解説します。
母子手帳はどこでもらえる?
母子手帳は、住民登録をしている市区町村の役所または保健センターで交付されます。病院では交付されませんので注意が必要です。
窓口で「妊娠届出書」を提出すると、その場で母子手帳と妊婦健診補助券が交付されます。
交付窓口では保健師や助産師との面談が行われることもあります。妊娠中の不安や疑問について相談できる貴重な機会ですので、気になることがあれば遠慮なく質問してください。
母子手帳交付に必要な書類
母子手帳の交付には以下の書類が必要です。
- 妊娠診断を受けた医療機関の診察券
- マイナンバーカードまたは個人番号が記載された住民票など、個人番号が確認できるもの
- 運転免許証やパスポート、マイナンバーカードなど写真付きの本人確認書類
マイナンバーカードがあれば、個人番号確認と本人確認が一度にできて便利です。自治体によっては妊娠証明書の提出を求められる場合もありますので、事前にお住まいの市区町村のホームページで確認しておきましょう。
母子手帳をもらうタイミングはいつ?
母子手帳を受け取る明確な期限はありませんが、妊娠5〜6週目頃が一般的な目安です。この時期は超音波検査で赤ちゃんの心拍が確認できるタイミングで、医師から「母子手帳をもらってきてください」と言われることが多いです。
遅くとも妊娠11週までには受け取ることをおすすめします。妊婦健診補助券は初回の血液検査などで使用できますので、早めに交付を受けることで経済的な負担を軽減できます。
結婚予定があり旧姓での記入を避けたい方や、転居予定がある方も、まずは現在お住まいの自治体で交付を受けましょう。母子手帳の内容は全国共通ですので、転居後もそのまま使い続けられます。
代理人でも受け取りは可能?
つわりがひどく体調がすぐれない場合など、ご本人が窓口に行けない状況もあります。そのような場合、代理人による受け取りが可能です。
代理人が受け取る場合は、以下の書類が必要です。
- 妊婦本人の委任状
- 妊婦本人の本人確認書類(健康保険証など)
- 代理人の本人確認書類
- 妊婦本人のマイナンバーが確認できる書類
委任状の様式は各自治体のホームページからダウンロードできます。代理人による受け取りを検討されている方は、事前に必要書類を確認してから窓口へ向かうことをおすすめします。
母子手帳と一緒にもらえる妊婦健診補助券

母子手帳の交付時には、妊婦健診の費用を助成する補助券も一緒に受け取ることができます。妊娠・出産にかかる経済的な負担を軽減する重要な制度ですので、詳しく解説します。
妊婦健診補助券(受診票)とは
妊婦健診補助券は、正式には「妊婦健康診査受診票」と呼ばれ、妊婦健診の費用を自治体が一部助成する制度です。母子手帳と一緒に交付される別冊として渡されます。
この補助券は、妊娠中の定期健診や血液検査、超音波検査などに使用できます。妊娠から出産まで、母子の健康を守るために必要な健診を経済的にサポートする仕組みです。
補助券の枚数や助成金額は自治体によって異なりますが、多くの自治体では14回分程度が交付されます。厚生労働省が推奨する妊婦健診の回数に合わせて設定されています。
補助券で受けられる助成内容
補助券による助成内容は自治体によって異なりますが、一般的には1回の健診につき5,000円程度の助成が受けられます。東京都の場合、基本的な健診費用の大部分がカバーされる設定になっています。
補助券は基本健診だけでなく、初期の血液検査、子宮頸がん検診、性器クラミジア検査、HTLV-1抗体検査などの特別な検査にも使用できます。これらの検査は母子の健康管理に必要不可欠なものです。
ただし、助成対象外の検査や、助成上限額を超えた場合は自己負担となります。また、健診回数が14回を超える場合も、超過分は自費での支払いが必要です。
補助券の利用方法と注意点
補助券を使用する際は、妊婦健診を受ける医療機関に母子手帳と一緒に提示してください。医療機関が補助券の内容を確認し、助成額を差し引いた金額が請求されます。
補助券は発行された自治体の契約医療機関でのみ使用できます。里帰り出産などで他の都道府県の医療機関を受診する場合、補助券が使えないことがあります。その場合は一旦全額を支払い、後日自治体に償還払いの申請をすることで助成を受けられます。
転居した場合は、転居先の自治体で補助券を交換する必要があります。母子手帳は全国共通ですが、補助券は自治体ごとに異なるため、転入届を出す際に窓口で相談してください。
妊婦健診の内容とスケジュール

妊婦健診は、お母さんと赤ちゃんの健康を守るために欠かせない定期検査です。ここでは健診の目的や受診スケジュール、具体的な検査内容について解説します。
妊婦健診の目的と重要性
妊婦健診の目的は、妊娠の経過が正常であるかを確認し、異常の早期発見と適切な対応を行うことです。妊娠中は母体に大きな変化が起こるため、定期的なチェックが必要となります。
妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病、貧血など、妊娠に伴う合併症は自覚症状が乏しいことも多く、健診で初めて発見されるケースも少なくありません。早期発見により適切な治療や生活指導を受けることで、安全な出産につながります。
また、赤ちゃんの発育状況や胎盤の位置、羊水の量なども定期的に確認します。超音波検査で赤ちゃんの成長を実際に目で見ることは、妊娠への実感を深め、母性を育む大切な時間にもなります。
妊娠週数別の健診スケジュール
妊婦健診の頻度は、妊娠週数によって変わります。厚生労働省の推奨スケジュールは以下の通りです。
妊娠初期(妊娠23週まで)は4週間に1回のペースで受診します。この時期は妊娠週数の確認や初期の血液検査など、重要な検査が行われます。
妊娠中期(妊娠24〜35週)は2週間に1回のペースとなります。赤ちゃんの成長が著しい時期で、定期的なチェックが大切です。
妊娠後期(妊娠36週以降)は毎週1回の受診が推奨されます。出産が近づくにつれて、より頻繁な経過観察が必要になります。
ただし、これはあくまで目安であり、妊娠の経過や母体の状態によって受診頻度は変わることがあります。医師の指示に従って受診してください。
妊婦健診で母子手帳に記録される項目

妊婦健診で測定・検査した結果は、すべて母子手帳に記録されます。この記録は妊娠経過を把握するだけでなく、生涯にわたる健康情報として活用されます。
妊娠中の健康状態の記録
母子手帳には、毎回の健診で測定した血圧、体重、子宮底長、腹囲、浮腫の有無などが記録されます。これらのデータを時系列で見ることで、妊娠経過が順調かどうかを判断できます。
血圧の記録は特に重要です。妊娠高血圧症候群は自覚症状に乏しいため、記録された数値の推移を確認することで早期発見につながります。140/90mmHg以上が続く場合は注意が必要です。
体重の記録も大切です。妊娠前のBMIによって推奨される体重増加量が異なりますが、急激な増加や減少は母子の健康に影響を及ぼす可能性があります。
医師や助産師から適切な体重管理についてアドバイスを受けてください。
検査結果の記録と見方
血液検査や尿検査の結果も母子手帳に記録されます。初期検査では血液型、貧血の有無、感染症の抗体価などが記載され、これらは次の妊娠時にも参考になる重要な情報です。
特に風疹抗体価の記録は大切です。抗体価が低い場合、産後にワクチン接種を検討する必要があります。次回妊娠時のリスクを減らすための重要な情報となります。
尿検査の結果も毎回記録されます。尿糖や尿蛋白が陽性となった場合、その時期や頻度が記載されるため、妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群の診断や経過観察に役立ちます。
超音波検査では、赤ちゃんの推定体重や発育の状態、胎盤の位置などが記録されます。週数相当の成長をしているかを確認する大切な情報です。
母子手帳は生涯の健康記録
母子手帳は妊娠・出産だけでなく、お子さんが小学校入学前まで使い続けます。乳幼児健診の記録や予防接種の履歴など、成長に関するすべての情報が一冊にまとめられます。
予防接種の記録は特に重要です。お子さんが成長して学校に入学する際や、海外渡航時などに予防接種歴の証明が必要になることがあります。大人になってからも、感染症の抗体の有無を確認する際に参考になります。
また、お子さん自身が将来妊娠を考える際、ご自身の出生時の体重や母親の妊娠経過を知ることは、妊娠・出産のリスクを予測する上で役立つ情報となります。母子手帳は親子二世代、三世代にわたる貴重な健康記録なのです。
母子手帳は大切に保管し、紛失しないよう注意してください。万が一紛失した場合は、交付を受けた自治体で再交付の手続きができますが、これまでの記録はすべて失われてしまいます。
まとめ
妊婦健診を受けるには母子手帳が必要です。妊娠5〜6週頃に市区町村の窓口で交付を受け、一緒に渡される補助券を活用することで健診費用の負担を軽減できます。
妊婦健診は合計14回程度が推奨されており、血圧測定や超音波検査などで母子の健康状態を継続的に確認します。
母子手帳は生涯の健康記録として大切に保管しましょう。
みなとウィメンズクリニックでは、経験豊富なスタッフが一人ひとりに寄り添ったサポートを行っております。妊娠中の不安や疑問にも丁寧に対応いたしますので、お気軽にご相談ください。
