乳がん検診
乳がん検診
乳がんは「乳房にできる悪性の腫瘍」で、女性ホルモン(特にエストロゲン)に反応して大きくなる性質があります。そこで初潮が早い、妊娠・授乳経験がない、高齢出産、閉経後の肥満などのエストロゲンにさらされる期間が長い人ほど乳がんになりやすいのです。
また脂肪の多い食事でリスクが上がるといわれており、近年の高齢出産や食の欧米化により日本でも乳がんになる人が増加しています。年間約9万人の日本人女性が乳がんに罹っており、女性が一生のうちにかかるがんとしては1番多いがんとなっています。
乳がんの罹患数は、20代後半から徐々に増え始めて40代になると急増します。乳がんには0期~Ⅳ期とステージがあり、しこりの大きさや転移の有無で乳がんのステージが決まります。大きさが5㎜~1㎝程度のしこりですと、自分で注意深く確かめてみると分かるしこりの大きさとなります。月一度くらいのペースでセルフチェックをすることをお勧めします。特に乳がんは、がんの中でも早期治療が大切だと言われています。乳がんのステージが進むにつれ、10年生存率が下がってくるため、早期発見、早期治療を心がけることがとても大切です。
かつては不治の病だと言われていたがんですが、乳がんは治療すれば90%超の女性が診断してから5年後も生存していることが調査で分かっております。乳がん検診は少なくとも1年に1回は受けることが推奨されております。
乳がんの検査にはマンモグラフィーと超音波検査(乳腺エコー)の2種類があり、両検査には得意、不得意な病変があります。
マンモグラフィー
乳房のレントゲン検査で、乳房を専用のプレートで挟み、2方向から撮影します。マンモグラフィーは石灰化といって乳腺・乳管に硬い石の様なものが沈着したものを発見しやすく、この石灰化はがんの初期症状として現れることがあります。ただし良性(がんではない)の場合も見られることがあるため、その分布や形で良性か悪性かを判断していきます。超音波検査では発見しにくいためマンモグラフィーが適しています。
超音波検査(乳腺エコー)
仰向けになって超音波プローブといわれるものを乳房に当て、動かしながら乳房をまんべんなくみていきます。乳腺が分厚い方の場合マンモグラフィーでは写りにくいのに対して、エコーは乳腺が分厚い人や若い人、妊娠中の人でもしこりを「腫瘤」として見つけることができます。また乳がん超音波検査は痛みはありません。
当院では、乳腺超音波検査をしております。40代以降で乳がんにかかりやすくなってきますが、稀に家族性乳がん症候群等乳がん発症のリスクが高い方には35歳未満の方にも乳腺超音波検査を勧めております。
また、超音波検査の結果によっては、マンモグラフィーを撮影したり、乳腺外科の医師へ紹介する場合もあります。
マンモグラフィーと比べ、レントゲンを使用しないため妊娠中でも施行可能です。ただし乳腺・乳管が女性ホルモンの増加によって発達しているため、病変がとても見つけにくい状態です。なるべく妊娠初期のうちに済ませましょう。
乳房を挟まないため、疼痛がほぼありません。
㎜単位の病変も検索できます。リンパ節も直接当てながら確認できます。
女性は月経周期や妊娠、出産を経て、ホルモン環境が刻一刻と変化していきます。その中で、子宮、卵巣以外に、乳腺も様々な様相を呈します。
ホルモン状態を意識しながら、乳腺を確認をすることで、適切なタイミングで乳腺外科への精密検査のご紹介が可能と考えます。
40代になったら2年に一回マンモグラフィーを受診することがすすめられています。
20代、30代は特に決まってはいませんが、若い人の発症が増加していることを考えると定期的に検診を受けるのがおすすめです。
ただし20代、30代は乳腺がまだ発達していてマンモグラフィーだと病変が見つかりにくいのでエコー検査のほうが適しています。
母親や祖母など女性の親族に乳がんの方がいる場合は20代から検診を受けましょう。
また40代以降でも乳腺が分厚く、マンモグラフィーで「高濃度乳腺」といわれた方などはエコー検査のほうが適している場合もなります。
どの年代でも月に1度はセルフチェックを行なうことが大切です。
乳がんの最大の特徴は「体の表面にあること」で、見つけやすい、つまり自分でも見つけられる唯一のがんともいわれています。早期発見もしやすいため死亡率が高くないというのも特徴の一つです。
どの年代でも月に1度はセルフチェックを行ないましょう。また、初めての検診は緊張すると思うので、友人や母娘・姉妹と一緒に受診してみるのもおすすめです。
子宮頸がん検査で異常が認められた場合に行なう精密検査用の医療機器です。
同時に組織検査を行なう場合もあります。他院で異常を指摘された方や、以前に異常を指摘された方もご希望あれば当院でフォローアップさせて頂きます。
コルポスコープとは、腟や子宮の頸部の表面を拡大する顕微鏡です。
見た目はデジタルカメラのようなコルポカメラを使用しています。
この拡大鏡を使用して、さらに細かい部分の組織を観察する精密検査を「コルポスコピー検査」と呼びます。
6~40倍まで拡大することができるので、目視では確認しにくい病変の発見が可能です。
コルポスコピー検査は、手術を伴わない非侵襲的な検査であり、外来で短時間で完了します。
麻酔を使用することなく実施でき、個人差がありますが痛みを伴うことは少なく、時間もそれほどかかりません。
現在、医療技術の進歩により、コルポスコピー検査の精度は年々向上しています。
検査によって、異常細胞を早期に発見し、検査結果に沿って適切な治療を行なうことができます。
子宮頸部の微細な変化を拡大して観察できるため、非常に高い精度で前がん状態や初期のがんを発見することができます。
子宮頸がん検診、または子宮頚部の細胞診で異常を指摘された方がコルポスコピー検査の対象です。
コルポスコピー検査は、病変の範囲やその度合いを調べたり、がんの有無を確かめたりするために行なわれます。
精密検査として組織検査を実施する時や、細胞に異常がある患者様の経過観察を行なう時に選択される方法です。
子宮頸がん検診の検査結果の欄に要精密検査と記載のある方は、HPV検査またはコルポスコピー検査が必要になります。
港区の子宮頸がん検診の対象年齢は、港区に住民登録がある20歳以上の女性です。港区から発行される受診券をご持参頂くと無料で検査が受けられます。
ただし2024年度より、受信券の発行は毎年ではなく、2年に1度となりましたので券が届いた年はこちらを利用してご受診下さい。
期間は毎年7月1日から翌年の1月31日までになります。
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